中学2年の時、なぜか同級生の間で新聞配達のバイトをすることが流行った。
もう誰がどうだったかは忘れてしまったが、何人かが新聞配達の自慢をしていた。
中には経済的な理由で配達をしていた人もいるかも知れない。
自分はフォークギターを買おうと思ったので、ある意味では経済的な理由なのかも知れない。
結局、正月に親に足りない分を足してもらって、目的のギターを買うことができた。
新聞は朝が来ると玄関に入っているので、誰から配っているなんて、それまでは考えたことも無かった。
どうやら、友達の何人かが新聞配達をしているというらしいのが。
友達と話しをしている時、新聞配達という言葉が出てきた。
したことは無かったので、なぜか新鮮に感じられた。
自分もその流行りに乗りたいという、そんな興味が湧いてきて、どこかにその口は無いかと何人かに聞いて回った。
その内に、自分は辞めたいから替わってくれと言うやつが見つかった。
早速その彼に交替と言う形で、新聞販売店に朝早くから出かけた。
店主は、話してみると案外優しいが、強面で左手の人差し指だったか親指が無かった。普段から薄い色のレンズのサングラスをしていたから、きっとあっち関係の人に違いないと、はなはだ失礼な勘違いをしていた。
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